映画「シュガーラッシュオンライン」(シュガーラッシュ2)の評価とネタバレ感想解説です。
以下の点が新しいディズニー映画でした
- プリンセスへの風刺・ジョーク(消えた聖域)
- 「マーベル+スターウォーズ」=新たなディズニー世界
- ディズニー風に描くインターネット
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感想は記事の中盤からです。
良かった所、悪かった所が両方あった作品でした。
目次
シュガーラッシュオンラインの簡単な紹介
感想の前に、シュガーラッシュオンラインの簡単な紹介です
シュガーラッシュのおさらい
前作、シュガーラッシュのおさらいです
- ゲームのキャラクタたちの物語
- 主人公は、ヴァネロペとラルフの二人
- ヴァネロペはプログラムのバグを持つ。ラルフはゲーム内の悪役。二人は周囲から嫌われていた
- そんな二人がシュガーラッシュ(レース)を通じて、自分らしさを発見し、友情を育む
って話でした。
シュガーラッシュオンラインのあらすじ
シュガーラッシュオンラインのあらすじは以下の通り
好奇心旺盛でワクワクすることが大好きな天才レーサーのヴァネロペと、ゲームの悪役だけど心優しいラルフ。
大親友のふたりは、アーケード・ゲームの世界に暮らすキャラクター。
そんなふたりが、レースゲーム<シュガー・ラッシュ>の危機を救うため、インターネットの世界に飛び込んだ!そこは、何でもありで何でも叶う夢のような世界――。しかし、思いもよらない危険も潜んでいて、ふたりの冒険と友情は最大の危機に!?
果たして<シュガー・ラッシュ>と彼らを待ち受ける驚くべき運命とは…。引用元:ディズニー
シュガーラッシュオンラインの登場人物(キャラクタ)
シュガーラッシュオンラインの登場人物(キャラクタ)をおさらいです。
- ヴァネロペ:「シュガー・ラッシュ」のプリンセス・レーサー。プログラムの欠陥がある。(CV:サラ・シルバーマン / 諸星すみれ)
- ラルフ:フィックス・イット・フェリックスの悪役(CV:ジョン・C・ライリー / 山寺宏一)
あとは新キャラとして
- シャンク:レーサー(CV:ル・ガドット / 菜々緒)
- イエス:バズチューブの経営者(CV:タラジ・P・ヘンソン / 浅野まゆみ)
- ノウズモア:検索バーの相談役(CV:アラン・テュディック)
- スパイリー:ポップアップ広告屋(CV:ビル・ヘイダー)
などが登場します。
シュガーラッシュオンラインに登場するプリンセス一覧(14人)
シュガーラッシュオンラインに登場するプリンセス一覧も先に書いておきます。
- 白雪姫:小鳩 くるみ
- シンデレラ:鈴木 より子
- オーロラ/ムーラン:すずき まゆみ
- アリエル:小此木 まり
- ベル:平川 めぐみ
- ジャスミン:麻生 かほ里
- ポカホンタス:土居 裕子
- ティアナ:鈴木 ほのか
- ラプンツェル:中川 翔子
- メリダ:大島 優子
- エルサ:松 たか子
- アナ:神田 沙也加
- モアナ:屋比久 知奈
14人ものプリンセスが共演するというのが1つの目玉ですが…本当に共演しています。
シュガーラッシュオンラインの個人的評価「途中まで面白い」
シュガーラッシュオンラインの個人的評価ですが「途中まで面白い」という感じ。
それぞれ、良いところ、悪いところ(微妙な所)を語っていきます。
シュガーラッシュオンラインの良かった点
シュガーラッシュオンラインの良かった点は以下の3つ
- アニメーションの爽快さ
- 過去のプリンセス勢揃いという豪華さ・キャッチーさ
- インターネット世界の描写の面白さ
子供と一緒に見に行っても、損はしない映画です。
では、大人だけで見に行く価値があるかというと…ちょっと微妙w
シュガーラッシュオンラインの微妙な点
一方、シュガーラッシュオンラインの微妙な点は以下の3つ
- 友情というテーマの扱い方
- 全体的な雑さ(下品さ)
- 中盤以降の失速
中盤、主人公のラルフの間違いがきっかけで、物語は進んでいくのですが、そこから先の展開が微妙。
そして、ディズニー映画に珍しく「エンディングの切れ味も無い」です。
以下、物語のネタバレありで感想と解説を書いていきます。
シュガーラッシュオンラインのネタバレ感想と解説(良かった所)
シュガーラッシュオンラインのネタバレ感想と解説です。
アニメーションの爽快さは健在
アニメーションの爽快さは健在でした。
ヴァネロペとシャンクのレースシーンは手に汗握る展開でしたし、後述するインターネット世界はさすがの綺麗さ。
プリンセスが勢揃いした時の、絵の迫力(ビジュアル)も良かったです。
※逆に最後のラスボス(ラルフのコピー)も絵が凄い分、気持ち悪かったw
過去のプリンセス勢揃いという豪華さ・キャッチーさ
過去の「プリンセス勢揃い」という豪華さ&キャッチーさ。
なんせ14人もいます。
正直言って、物語においての彼女たちの登場は、全く必然性が無かったです。
ただ、遊び心がある演出だったので、楽しめました。
プリンセスへの風刺とジョーク。消えた聖域
プリンセスへの風刺とジョークが冴え渡りました。
これが今作の1番の特徴かなと。
ディズニープリンセスという聖域が消滅した…とも言えます。
ディズニープリンセスを登場させようというアイデアを思い付いたときは、さすがに慎重に事を進めないとダメだと思った。だから、簡単な映像を作り、スタッフみんなで声をあてたものを上司に見せに行ったんだ。そしたら、彼らは「すごく面白い!」「笑える!」とすごくいい反応をしてくれた。そこで僕たちも「ディズニーを”聖なるもの”として扱わなくてもいいんだ!」「風刺してもいいんだ!」ということに気付いたんだ。
今まではディズニーはプリンセスを神格化してきました。
しかし今作では、彼女たちにTシャツを着せたり、人間らしい(完璧ではない面)を描いたりと、色々とネタにしています。
例えば、ヴァネロペに対して「プリンセスな証拠は?」と聞いたときのネタが面白かったです。
- 呪われたの?
- 毒にやられたの?
- 髪が伸びるの?
- 親いないの?
などなど(プリンセスの不幸を大変さを再認識させられました)。
あと、白雪姫の「POISON」とか、アナの「JUST LET IT GO」というTシャツも面白かったw
ミュージカル演出(突然歌を歌う)にも皮肉がありましたね。
ちなみに、ヴァネロペは夢を見つけてミュージカルした=プリンセスになりました、次回からはあのメンツに仲間入りです。
※なお、メリダだけ「よくわからないことを言う」というのは、彼女だけピクサースタジオ製作だったからです
新たなディズニー世界の出現
ネット内のディズニー世界に飛び込んだヴァネロペ。
そこには、新たなディズニーとも呼べる世界がありました。
※ディズニーはルーカスフィルム(スター・ウォーズ)と、マーベルを買収しています
ザッと見ただけでもこれだけのキャラクタがいましたね。
- ディズニー:ベイマックス、ウォーリー、トイ・ストーリー、ズートピア、ピーターパン、ティンカーベル、七人の小人、くまのプーさん
- スターウォーズ:R2-D2、チューバッカ、C-3PO、ストームルーパー
- マーベル:アイアンマン、スタン・リー、ガモーラ、ベビーグルート
ディズニー世界の中で、様々なキャラクタの調和を取る方法を模索中です。
インターネット世界の描写の面白さ
インターネット世界の描写の面白さが満載でした。
まずWIFIの世界に入るに当たり、主人公二人は電子状態になります。
IPアドレスを付与されて、ネットの海に飛び込む感じが良かったですね。
開かれたネット世界での様々な企業達の姿もありました。
EBAYはもちろんのこと、Google、Tumblr、ピンタレストなどなど。
バズチューブはオリジナルな企業だったようですね(バズビデオというアプリはあります)
ちなみに、町中で押し寄せてくるポップアップ広告の害は風刺せずでしたね
※これは広告主への影響を考えて批判的に描けなかったのかと
インターネットギャグとネットの正しい使い方の教科書
インターネットギャグ(ジョーク)が満載でした
- WIFI(わいふぁい)のことを「うぃーふぃー」と呼ぶ
- EBAY(いーべい)のことを「いーぼーい」と呼ぶ
- Googleのことを「ゴーグル屋」か?と聞く
- 検索エンジンの先読み検索をギャグとして扱う
など。
一方、ネットの正しい使い方の教科書ともいえる示唆が多数。
流石、ディズニーでした。
- EBAYで間違えて値上げして2万円のものを300万円(27001ドル)で落札した
- バズチューブでコメントを見ると必ず批判がある
など。
【テーマ】変化のない日常と、変化のある非日常、あなたはどちらを望みますか?
変化のない日常と、変化のある非日常、あなたはどちらを望みますか?
これが映画から投げかけられた質問(テーマ)だと思います。
ラルフは「変わらない日常、変化のない仕事が続けばいい」と語ります。
一方でヴァネロペは「既に知り尽くしたコースに興味はない、新しいことを知りたい」と語ります。
二人の年齢の差もあり「世界を広げたい若者」と「このままの世界が続いて欲しい老人」の2人のような対比ですね。
どちらの生き方が正しいと語るものではありません。
どちらも尊重されるべき生き方です。
そして、選んだ生き方のためには「一緒にいられない(離れ離れ)」ことを受け入れようというオチ。
見方を変えると、上京する子供を見送る「親と子」の物語のようでもありました。
シュガーラッシュオンラインのネタバレ内容と解釈(微妙な所)
シュガーラッシュオンラインのネタバレ内容と解釈です。
微妙な所を中心に。
シュガーラッシュの内容に触れずに導入する不親切さ
シュガーラッシュの内容に触れずに導入する不親切さが気になりました。
「2」がついたタイトルではないので、続編だと気づかずに見る人もいるはず。
そういった方への配慮として
- ラルフとヴァネロペは何者か
- 二人の住んでいる世界はどんな場所か
という説明が無かったですね
中盤以降の物語の失速
中盤以降の物語の失速も気になりました。
おや?と思ったのは、ラルフがヴァネロペをレース場(オンラインゲーム)から救う時。
もっと葛藤・危険など、アニメーションの見せ場があったはずなのに、サクッと救いますよね。
そして、一方的な断罪からの友情崩壊(まあラルフ悪いですけど)。
「ラルフ命がけで助けに行ったじゃん!」って見てて思ったり…。
でかいウィルスラルフが出てきて、グダグダと逃げ回り、捕まったり…と、最後の戦いは爽快感が全然無かったですよね。
しかも倒した理由もいまいち…
最後にプリンセスたちが出てきたので、なんとなくごまかされた気もしましたw
物語の締め方がビターで新しい
「物語の締め方がビター(ほろ苦い)」感じは新しいです。
主人公ラルフは、ヴァネロペと別れた後、新しく友人達を作ります。
彼らと仲良くやり、日々に変化も出てきたと報告しています。
そんな二人の友情は、遠く離れてもつながっているよ・・・
で、エンドですよ。
もう少し、パーティー感をもたせて終わらせることも出来たはず。
たとえば、オンライン側の人々(スローター・レースのシャンク達)を遊びに連れてくる、みたいな。
でも、あえてそうしない幕切れにしたのかな、と思いました。
ラルフの行動が雑だし下品すぎる
ラルフの行動が雑だし下品すぎるっていうのが目に付きました。
友人のためを思って、という名目でひどいことを色々とやります。
- 車を盗もうとする
- 盗み聞きをする
- 自分の思い通りにするためにウィルスを使う
など。
これ、倫理的に良くない行動ですよね。
ラルフがそういう行動をしてしまう必然性も無い(友だちのためという理由だけ)。
ディズニー映画(子供向けの映画)としては、主人公側がこの行動をするのは、どうなんだろう・・・と思いました。
主人公(ヒーロー)たる人間がやる行動としてはふさわしくないです。
また、彼は友情を失いかけますが、最終的には許されますし。
雑だし、何より下品だな、と思ったり。
最後のFROZEN2の宣伝は「えぇ」という内容
最後のFROZEN2の宣伝があり、子どもたちは喜んでいました。
しかし、ラルフの一人芝居だけで内容は何もなし。
これは流石に「えぇ」という感じ…。
シュガーラッシュオンライン感想まとめ
シュガーラッシュオンライン感想まとめ
- 過去のプリンセス勢揃いという豪華さ・キャッチーさは目玉商品
- インターネット世界の描写、アニメは流石!
- 新たなディズニー世界が垣間見えた
- 友情、夢などのテーマの描き方はちょっと微妙
- 雑だし、ちょっとどうなの?という描写もしばしば
という感じ。
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