星野源さんの5枚目の最新アルバム「POP VIRUS」のタイトルの意味の解説と、個人的な感想(レビュー)です。
前作「YELLOW DANCER」から3年ぶりのニューアルバム。
大ヒットした『恋』『Family Song』『アイデア』などのシングル曲を含む14曲収録です。
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目次
星野源最新アルバム「POP VIRUS」とは
星野源さんの最新アルバム「POP VIRUS」(ぽっぷうぃるす)の概要はこちら
- オリジナル・アルバムとしては5枚目
- 前作の4thアルバム「YELLOW DANCER」から3年ぶり
- 2018年12月19日にJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントから発売
- 全14曲。シングル曲「恋」「アイデア」などを含む
- シングル曲「ドラえもん」は収録されていない
POP VIRUS収録曲一覧
POP VIRUS収録曲一覧です。
- Pop Virus
- 恋
- Get a Feel
- 肌
- Pair Dancer
- Present
- Dead Leaf
- KIDS
- Continues
- サピエンス
- アイデア
- Family Song
- Nothing
- Hello Song
POP VIRUSのタイトルの意味は?
アルバムテーマであり、1曲目のタイトルでもある「POP VIRUS」の意味ですが、雑誌ダ・ヴィンチの「いのちの車窓から」の中でこのように語られています。
自分の音楽や、自分の思うポップというものがとんでもない速さで日本全国に拡大感染していく。
メディアでも街でもひっきりなしに『恋』が流れ、それが当たり前の状況として定着していく様は、
既存のJ-POPという免疫を破壊し、世間という肉体に新しい常在菌を作り上げたようだった。
その曲が初めて収録されるアルバムには、『POP VIRUS』というタイトルがピッタリである。
引用元:「ダ・ヴィンチ 2018年12月号」
シングル曲「恋」で引き起こした新たなPOPの感染を、今度はアルバム「POP VIRUS」でも実現したい、感染爆発させたい。
そんな思いがあるようです。
POP VIRUSという言葉は「ポップ中毒者の手記」が元ネタ
POP VIRUSという言葉は川勝正幸さんの「ポップ中毒者の手記(約10年分)」が元ネタだと星野さんは語ります。
この本に星野源さんは19歳の時に出会います。
本のまえがきに数回しかでない、その言葉(ポップ・ウィルス)を無意識に覚えていた、と。
ダ・ヴィンチのエッセイ「いのちの車窓から」の中でこのように述べています。
今回のアルバムは、明るい歌詞も暗い歌詞も、楽しくて速い曲もダウナーで遅い曲もある。
これらはすべてが僕にとっての「ポップ」である。
19歳の時、川勝さんの本の表紙に惹かれた私は、すでにポップ・ウィルスに感染していた。
あなたがいなければいまの活動はないと断言できる。
引用元:「ダ・ヴィンチ 2018年12月号」
ちなみに本の冒頭はこんな言葉から始まっています。1行目からポップ・ウィルスという言葉が出てきて驚きましたw
この本の英語タイトルに使った「ポップ・ウイルス」などというものは、もちろん存在しない。シャレである。
しかし、ポップ・ウイルス的なものがイタズラしているとしか思えないほど、今や世界中の「衣食足って、情報過多な都市」に住む人々が愛でるポップ・カルチャーの好みは、似通ってきている。
引用元:川勝正幸. ポップ中毒者の手記(約10年分) (河出文庫)
川勝さんの文章から感染したものを、次の誰かに感染させたい
星野源さんは「川勝さんの文章から感染したものを、次の誰かに感染させたい」と語ります。
川勝さんってまさに、ポップカルチャーを世の中に感染させていった人だと思うんですよ。
メジャーもマイナーも関係なく自分の好きなものは、”ポップなもの”として扱って、面白がる方法を教えてくれた。
川勝さんの文章から僕が感染したものを、今度は僕が音楽を通して誰かに感染させる。
それが実現できたらすごく面白いし、やっぱりこのタイトル、ピッタリだなと思いました
引用元:ロッキング・オン・ジャパン 2019年 01 月号
つまり、自分が受けとったバトンを次の人に渡す、ということ。
「ポップ」という病原体が、日本中に、世界中に感染していく。
アルバム「POP VIRUS」にドラえもんが収録されていない理由
アルバム「POP VIRUS」にドラえもんが収録されていない理由ですが、なにかのインタビューで「シングル曲として、その世界観で完結している」と述べていました。
星野源のオールナイトニッポンで語られたPOP VIRUSに関する話
「星野源のオールナイトニッポン」(ラジオ)で語られたPOP VIRUSに関する話が面白かったのでまとめました。
- シングル曲をアルバムに入れる際にリアレンジはしていない。ミックスを少し変えている曲はある(全く同じ音素材を使ってバランスを変えている)
- 既発曲「恋」「肌」は本来のダンスミュージック感を取り戻すために、ビートを強調した(聞こえ方が全然違う)
- 既発曲「アイデア」「Continues」はミックスも変えていない
- このアルバムで大事に思っているのは「ビート感」。早かろうが遅かろうが「すべてダンスミュージック」
- 表題曲『Pop Virus』を「対女性向けのラブソング」と受け取られて意外だった
- 今回のアルバムPOP VIRUSは「リアルエピソードは1つもない」
- 「自分の感情や、言葉に出来ない感覚を音にしたい」と思って曲を作った
個人的には「すべてダンスミュージック」という言葉にビビっときました。
「POP VIRUS」全曲レビュー・感想
星野源ニューアルバム「POP VIRUS」の全曲レビュー・感想です。
まだ曲を聞き込みきれていませんがとりあえず、各曲に関して簡単な説明をまとめました。
「POP(明るさ)」と「VIRUS(ダーク)」がうまくミックスされた、一言では言えない面白いアルバムになっています。
Pop Virus
「Pop Virus」はリード曲であり、表題曲です。
- MVは“異国の地下鉄”を舞台にワンカットで撮影
- 車内に集まった多様な人々が人種や言語を超えて“ポップウイルス”に“感染”し、大きく盛り上がる
ラジオで述べていたように、女性への愛の歌・ラブソングではないようです(もちろん受け取り方は自由でしょうけどね)
ちなみに「愛してる」という表現は今までの曲では使われていませんでしたが、初めて向けられた対象は「音楽」でしたね。
ノイズ音がまるでウィルスのように、耳にイガイガとした感触を残す。
しかしそれは嫌ではない。
MVの中でも曲を聞いている人々がどんどん感染し侵食され変化していく。
しかしそれは不幸には見えない。
暗いから、異質だからそれが悪いわけではなく、共存する面白さ。
恋
「恋」は星野源さんが一躍国民的な人気になった曲ですね。
インタビューなどから分かる通り、この曲の「日本中に広がる感じ」が「VIRUS」というタイトルに影響しています。
- 恋は9枚目シングル
- TBS系テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』主題歌
日常に当たり前に流れるこの曲。
転調が気持ち良い感じ。
Get a Feel
Get a Feelはアルバム曲。
「~を感じ取る、~の感触をつかむ、~の気分を味わう」みたいな意味ですね。
肌
「肌」は
- 10枚目のシングル曲FamilySongのカップリング曲
- 花王『ビオレu ボディウォッシュ』CMソング
です。CMで聞いた人も多いはず。
Pair Dancer
「Pair Dancer」はアルバム曲。
とある方法で感染させることで、新曲「Pair Dancer」の一部が試聴可能…という面白い試みやってます。
Present
「Present」はアルバム曲。
Presentという英単語は様々な創作のモチーフとしてよく使われますが、
- 贈り物をする
- 提示する
という意味以外にも「今、現在」という意味もあります。
Dead Leaf
「Dead Leaf」はアルバム曲。
山下達郎さんがコーラスで入っていることに注目です。
KIDS
KIDSは10枚目シングル曲Family Songのカップリング曲です。
当時は「House Ver.」でしたが、アルバム曲になりいろいろと変わっています。
Continues
「Continues」は9枚目シングル「恋」のカップリング曲。
この曲ができた時に、まだ名もない新アルバムの「軸」となる曲だな、と感じたそうです。
実際、インタビューやラジオでも語られているように、この曲はミックスも変えていないでシングルの時のままアルバムに収録されています。
サピエンス
「サピエンス」はアルバム曲です。
21歳のサウンドクリエイター・Snail’s Houseさんがシンセベースプレイヤーとして参加しています(星野さんがスゲーと褒めていた人ですね)。
あとNTTドコモ“星プロ”シリーズの新TVCM「青春のドまんなか・スタート」篇にも採用されたそうですよ。
アイデア
「アイデア」は配信限定のシングルでした。
NHK 連続テレビ小説『半分、青い。』主題歌として書き下ろされた一曲です。
Family Song
「Family Song」は10枚目シングル曲。
こちらも、日本テレビ系水曜ドラマ『過保護のカホコ』主題歌として有名。
Nothing
Nothingはアルバム曲。
「街は怒りと夢を注いだ」
引用元:Nothing / 星野源
という一言が、このアルバムの「陰と陽」を表していますね。
Hello Song
Hello Songはアルバム曲。
Youtubeで試聴動画があったので、シングル曲な気持ちでしたw
ACジャパン『ライバルは、1964年』キャンペーン・ソングにもなっています。
まだまだ聞き足りていませんが、2周時点での現在でも、買ってよかったと思えたアルバムでした。
星野源さんは、CDを買った人を大切にしてくれるアーティストです。
今回も特典のブックレットとDVD(Blu-ray)が良い感じなので、せっかくなら同封版を買うのがオススメです!
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