「セカイ系」の明確な定義というのはありません。
とはいえ「こんな感じがセカイ系だよ」ザックリと理解することは出来ます。
当記事では、
をわかりやすく語ってみます。
参考となる定義はこちら↓
目次
セカイ系とは?定義・意味をわかりやすく説明してみる
セカイ系とは何か?
ざっくり言うと「主人公とパートナー(僕と君)の行動が、世界全体に影響する」ような話です。
具体的な定義はないサブカル用語です。
いくつか例を見つつ、こんな感じなんだなーと理解するのが一番良いと思います。
セカイ系の例
セカイ系のよくあるパターン・例は以下のとおり
- 主人公は日常生活を送る普通の人
- ある日、好きな人(ヒロイン)ができる
- 同時に、世界的な危機に巻き込まれる
- 主人公はその世界的な危機を救う力を持っている
- しかし、その力を使うと、好きな人(ヒロイン)は死んでしまう(犠牲になる)
- 世界的な危機を救うか、好きな人(ヒロイン)を守るかどちらを選ぶ?
というのが、よくあるケース。
ちょっと大げさな「AとBどちらか片方しか選べない」2択問題みたいな感じ。
- A:世界を救う
- B:好きな人を救う
という2択ですね。
セカイ系の特徴
セカイ系が他の物語と違う点は以下のとおり
「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」
引用元:波状言論 美少女ゲームの臨界点
つまり
「ぼくときみの問題」→「社会や周囲の変化」→「世界に影響」
ではなく
「ぼくときみの問題」→「世界に影響」
というイメージ。
もっとざっくり言うと、
僕と君が別れたら世界が破滅するとか、君と付き合うと国が滅ぶ…みたいな感じ。
普通の物語は「主人公たちが、自分たちの身の回りの問題を解決する」とか、
「主人公たちの行動で、社会が変り、徐々に世界が良くなる」ということが多いですよね。
一方、セカイ系の場合は「主人公たちの行動で、世界が救われる(or滅びる)」というパターンが多い。
なので、登場人物が
- 「主人公」
- 「ヒロイン」
- 「世界の驚異(を象徴する敵)」
だけだったりすることもあります。
セカイ系の代表的作品を通じて理解する
セカイ系の代表的作品と言われる以下の3作品を知っていますか?
- 高橋しん『最終兵器彼女』
- 新海誠『ほしのこえ』
- 秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』
これらはどれも近いモチーフなので、まとめて紹介されることが多いです。
各作品についてかんたんにストーリーを説明しますね。
高橋しんの「最終兵器彼女」はセカイ系?あらすじ紹介
北海道のある街で暮らすシュウジとちせの物語。
ちせは以前から好意を抱いていたシュウジに告白し、二人の恋愛が始まる。
しかし、平凡に思えた日常はある日、謎の「敵」に空襲され壊れていく。
命からがら逃げのびたシュウジが見たのは、「最終兵器」として敵と戦うちせの姿だった。
…という感じ。
新海誠の『ほしのこえ』はセカイ系?あらすじ紹介
中学3年生の長峰ミカコと寺尾ノボルは互いのことを思い、同じ高校への進学を望んでいた。
しかし、ミカコは国連宇宙軍のタルシアン調査隊・リシテア艦隊に選抜されていた。
翌2047年、戦艦に載った選抜メンバーたちは地球を離れ深宇宙へと旅立った。
ミカコとノボルは超長距離メールサービスで連絡を取り合うが、往復時間も伸びていき、二人の心は徐々にすれ違う。
…という感じ。
秋山瑞人の『イリヤの空、UFOの夏』はセカイ系?あらすじ紹介
園原中学校の二年生である浅羽直之は夏休みの間中、山にこもってUFOを探す日々を送る。
UFOが見つからないまま迎えた夏休み最後の夜、学校のプールへにて伊里野加奈という謎の少女と出会う。
夏休みが終わった、始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。
彼と彼の周りに起きる奇妙な出来事とUFO、そして少女の関係やいかに?
…という感じ。
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セカイ系「最終兵器彼女」「ほしのこえ」「イリヤの空、UFOの夏」の共通点
「最終兵器彼女」「ほしのこえ」「イリヤの空、UFOの夏」の共通点をセカイ系的な観点で書き出すと以下のとおり
- 主人公の男性は普通の人間
- ヒロインは強い女性(戦闘美少女)
- 主人公とヒロインは普通の恋をする
- ヒロインは非日常と日常の両方に属している
- そんなヒロインを主人公は見守る(だけ)
という感じ。
主人公側は普通の人間で、日常に属しています。
しかし、ヒロインの少女を通じて、非日常の世界を垣間見る。
そしてヒロインとの関係を通じて、セカイそのものに働きかける…みたいな構造ですね。
ぶっちゃけセカイ系は、こういった作品群を見て「なんとなく似ている気がするなあ」というところから理解した方が良いです。
- 『最終兵器彼女』の漫画
- 『ほしのこえ』の映画
- 『イリヤの空、UFOの夏』の小説
のどれか好きなものを見てみるのがオススメ。
一つだけ選ぶなら「最終兵器彼女」がセカイ系の一番の代表作だと思います。
セカイ系のはしりは「新世紀エヴァンゲリオン」
セカイ系のはしりは1995年のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とも言われています。
主人公たち一部の子供しか操れないエヴァンゲリオンという装置を扱い、世界の驚異と直接対峙するような話ですよね。
子どもたちと使徒(敵)の戦いがそのまま、世界に影響する、そんな作品でした。
またキャラクタの「内面的な動き」が行動と結びつき、「世界に影響する」という観点から見ても、セカイ系っぽいですよね。
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セカイ系のゆるい分析。要素で分解してみる
再三になりますが、セカイ系の定義は人それぞれ違います。
しかしながら、大多数の人が思っているセカイ系っぽい要素はあるかなあ、というのが個人的考え。
ジャンルとしては、
- 巨大ロボットや兵器
- SF
- ラブコメ(学園、ティーン)
というのが混ざっていることが多いです。
また、
- 主人公が無力
- ヒロインは凄い(世界とつながる)
- 世界の危機が発生し、解決するのは主人公たち
という感じ。
もちろん、どんな物語も「なんらかの危機」が発生し、それを解決するまでの話ですよね。
しかしセカイ系の場合は、その危機のスケールが大きいことが多く、さらには主人公たちと直接つながっている点が特徴的ですね。
セカイ系作品まとめ(アニメ・漫画・映画・小説)
セカイ系っぽい作品をまとめました。
※最近はメディアミックス作品が多いので、どれが「アニメ・漫画・映画・小説」か不問
- 涼宮ハルヒの憂鬱
- ぼくらの
- 交響詩篇エウレカセブン
- 魔法少女まどか☆マギカ
- SSSS.GRIDMAN ※ちょい違うけど
- 少女革命ウテナ
- エルフェンリート
- 西尾維新「戯言シリーズ」
- ペルソナ3
とりあえず興味あるやつから見てみると良いですよ!
個人的に一番好きなのは、まどマギです。
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最近だと、新海誠監督の最新作「天気の子」もそれっぽいかな、と思いました
関連記事:天気の子とセカイ系の考察