人生を左右する信用スコアとは?メリットと問題点【芝麻信用(ジーマ信用)】

「信用スコア」を知ることは、近い未来を予測するのに必須になると断言できます。

当記事では、

  • 信用スコアとはなにか
  • 中国で始まった芝麻信用(ジーマ信用)について
  • 信用スコア時代を想像し、生き抜く方法

をお伝えします。

「遠いSFの世界」のことみたいですけど、既に訪れている現実だと驚きますよ。

信用スコアとは?メリットと問題点について

信用スコアとは「個人の信用情報が、数値として管理」されることです。

企業が「個人の家庭環境、勤務先、交友関係、日々の行動」などを手に入れて、

その個人情報を元に「独自の方法(アルゴリズム)」で計算して、数値化する

といった流れでスコアが算出されます。

※Credit Score(クレジットスコア)とも呼ばれます

 

信用スコアは人間版の食べログです

信用スコアはいわば「人間版の食べログ」です

 

新たにお店を開拓する時って

「食べログの星評価が4以上だから安心できるな」

みたいに考えませんかね?

それと同じように、信用スコアがある状況だと、はじめて会う人に「この人は星4以上だから、信用できそうだ」と思うようになります。

 

そんな馬鹿な!…って気もしますが、既にわたしたちは「高学歴」「大手企業」「妻子持ち」の人を高く評価していますよね。

それらの情報が合わさり「数値」になったようなものが信用スコアです。

 

信用スコアの算出方法がスゴイ

信用スコアの算出方法がスゴイです。

例えば中国企業の信用スコアの算出時には

  • 学歴
  • 職歴
  • 人柄
  • 収入
  • 日々の行動

などが扱われます。

特にスゴイなと思うのが「人間関係(どんな交友関係か)」や「日々の行動(悪いことしていないか)」などが影響する点。

 

信用スコアのメリットは?

信用スコアは初対面の人間同士でも役に立ちますし、企業の営利活動にも使えます。

企業としても、信頼できる人を顧客にしたいですよね。

  • 家を貸すなら、支払い遅延や、
  • お金を貸すなら、破産しなさそうな人が良い

と言った感じ。

利用者としても、しっかりと毎日ちゃんと行きていたら、高評価という形で報われるのは良いことですね。

※そのスコアの算出方法が正しいかはさておき

 

信用スコアの問題点は?

信用スコアの問題点は主に2つですね(主観です)

  1. 個人を「数値だけ」で判断するようになる
  2. 数値が低い人が苦しい社会になる

個人を「数値だけ」で判断するようになる

個人を信用スコアだけで判断するような傾向になること間違いなし。

そうなると「数値に表れない本当の良さ」とか「数値にならない活動への寄与度」が減ってしまいますよね。

 

これは、資本主義経済によって「お金にならない活動は無駄だ」みたいな価値観が生まれたのと似ています。

「信用にならない活動は無駄だ」という、(経済合理主義者ならぬ)信用合理主義者が確実に生まれるはず。

一方で「信用にならないことでも大事なこともある」という声も大きくなるのは間違いなし。

※この時の問題点は「信用度の高い人(合理主義者)」のほうが発言の説得力が出るという点かと

 

信用スコアの数値が低い人が苦しい社会になる

信用スコアの数値が低い人には苦しい社会が訪れます。

スコアの低い状況を回避するために地道な努力が必要になるでしょうし、人に見くびられたり、差別されたりという状況が増えるはず。

 

と言われてもなかなかピンと来ないはず。

そんな人は、Netflixのブラック・ミラー「ランク社会」というSFドラマがおすすめ。

信用スコアの世界を描いている一作で、高評価だった主人公が信用スコアを失い社会的に不幸になっていく様が描かれています。

関連記事:Netflixのブラックミラーとは?

 

信用スコアの世界的な例は?(中国、アメリカ、日本など)

信用スコアの世界的な例は以下のとおり

  • 中国:芝麻信用(ジーマ信用、セサミクレジット)
  • アメリカ:FICO
  • 日本:LINE SCORE、J.SCORE

その中でも最先端の中国を見てみましょう。

 

中国の社会信用システムとは?信用スコアとの違いは?

信用スコアの最先端な国「中国」。

政府と企業でやっていることは違います。

  • 中国政府:「百行征信」(バイハンクレジット)
  • 民間企業:アリババの「芝麻信用(ジーマ信用/セサミクレジット)」が代表例

という感じ。

 

中国の社会信用システムとは?信用スコアとの違いは?

中国の社会信用システムは全国民が対象です。

一方で、民間企業の信用スコアは、一部利用者が対象。

※とはいえ、中国のアリババの芝麻信用の利用者は5億人を超えていると言われています

 

で、何が違うのかというと、ぶっちゃけ難しいところ。

政府の方は「行動の制限」などがありますが、企業の方は「行動の優待」がメインと言う感じですかね。

というか、中国政府と企業(アリババ)は協力関係にあるらしく、スコアも互いに影響し合っているとも言われています。

※より具体的な日常の行動管理をアリババが請け負っていると捉えることもできそうですが、謎です

 

中国政府の社会信用システム導入による変化は?

中国政府は「社会信用システム」を2014年に導入し、人々の行動を監視&評価しています。

この制度は2020年までに、約14億人の中国人に適用される予定。

 

国が主導しているだけあってその強制力がすごいです。

例えば、スコアが低い人や、過去に問題を犯した人は

  • 航空券や鉄道チケットを買えない
  • 不動産が変えない
  • 組織の立ち上げが禁止

などの行動の制限があります。

逆にスコアが高い人には特典もありまして、まさに「アメとムチ」。

スコアが落ちると、まともに社会生活を営むことが厳しくなりそうです。

 

政府批判と言論の自由

で、政府批判をするとどうやらスコアが下がる仕組みっぽいんですよね。。。

中国はその辺りの言論統制がかなり強め。

小さな声であっても批判しづらくなり「言論の自由」に影響するかな、という感じ。

※ディストピアっぽい…

 

中国アリババグループ「芝麻信用(ジーマ信用/セサミクレジット)」

中国の信用スコアの代表例は「芝麻信用(ジーマ信用/セサミクレジット)」です。

アリババグループの「アント・フィナンシャルサービスグループ」がやっているサービスでして、先程まで説明した信用スコアの評価方法を実践しています。

具体的にはアリババ独自のアルゴリズムで、ユーザの信用を「350~950」で表します。

使う情報としては、

  • 決済システム「アリペイ」の利用状況
  • ネットショッピング淘宝(タオバオ)の利用状況
  • 公共料金
  • 金融(借金、支払い能力、返済履歴、投資商品のリスク状況)
  • SNSの人間関係
  • トラブルなどの履歴

などなど。

これらを「個人特性、支払い能力、返済履歴、人脈、素行」という5つの要素でスコアリングしています。

 

芝麻信用で変わった人々の行動は?

「人々が模範的に振る舞う」ようになるそうです。

誰かを攻撃したり、街を汚したりせず、「良い市民」として振る舞う人が増えていく。

あと、ウェブサービスでも悪口を言ったり、誹謗中傷する人が減ったのだとか。

 

また、上海や蘇州では、以下のような行動が信用スコア低下になると言われています。

  • 駐車違反
  • 転売
  • 運賃のごまかし
  • レストラン予約の無断キャンセル

こういった周囲への迷惑行為が減ることは、どう考えても好ましいですよね

 

芝麻信用の信用スコアが高いとどんな得がある?

色々面白い特典があります

  • 出会い系のマッチングで優遇される
  • ホテルやレンタカーでデポジットの支払いが免除になる
  • シェアエコノミーで優遇される
  • タクシーなどがつかまりやすくなる
  • 保証金なしで賃貸が可能になる

など。

 

信用評価社会での理想的な生き方(芝麻信用を例に)

まず、芝麻信用を例に、信用スコア社会での理想的な生き方について考えてみましょう。

テクノロジーディレクター「リ・インユン」いわく

「1日に10時間もパソコンゲームをしていれば怠惰な人間とみなされるだろうし、紙おむつを頻繁に買っていればよい親だと思われるだろう。前者は後者より低いスコアしか得られないかもしれない」

のだとか。

つまり、

  • 社会に価値を与えている(生産活動している)
  • 社会的立場がある

ということが重要になりそう。

 

あとは、批判しない、社会に害がある行動をしないなど「縛り」も色々出てきそうな。

このあたりに関しては、岡田斗司夫さんの「いい人戦略」って本が面白いですよ。

Kindle Unlimitedに加入すればすぐに無料で読めます

 

信用スコアを扱ったSF作品まとめ(本・アニメ・漫画・映画)

信用スコアのような「SF世界」は、SF作家の知恵を借りるのが一番です。

物語形式で読めて、リアルに想像できます。

※この記事を書いたのも、Netflix「ブラック・ミラー」の1エピソード「ランク社会」を見たからなのでw

 

結論としては、以下の3つを見ればOKです

  • ジョージ・オーウェル『一九八四年』
  • ノイタミナ『サイコパス』
  • Netflix ブラックミラー『Nosedive (ランク社会)』

ジョージ・オーウェル『一九八四年』

ジョージ・オーウェル『一九八四年』は、ディストピア社会を描いた名作です。

政府に反感を抱く少年と、政府の戦いを描いています。

漫画版があるので、どうぞ。

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ノイタミナ『サイコパス』

ノイタミナ『サイコパス』は絶対見るべき名作アニメ。

あらゆる感情・欲望・社会病質的心理傾向はすべて記録され、数値として管理される社会。

その計測値を人々は「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と呼んでいた。

特に、犯罪に関する数値は「犯罪係数」として計測され、犯罪者はその数値で裁かれる。

これは、自らも高い犯罪係数を持ちながらも犯罪を取り締まる執行官と、補佐役である監視官の2人組の話である。

という感じ。

ここまでの話を聞いて、

信用スコア社会って本当に正しいの?

と思う人が見ると楽しめます。

関連記事:アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」時系列と見る順番の結論

 

Netflix ブラックミラー『Nosedive (ランク社会)』

Netflixのオリジナルドラマ「ブラックミラー」はSFオムニバス作品。

1話完結で、色々なエピソードがあるのですが

『Nosedive (ランク社会)』

という作品が、まさに信用スコアの実現した世界を表現しています。

関連記事:Netflixの登録方法

 

他にも、未来に関する本はこの2冊が参考になるので、興味あればどうぞ