「進化する勉強法」の感想(書評)です。
エビデンスに基づく勉強法が最も効率的だと気付ける一冊でした。
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>関連記事:メンタリストDaiGoの科学的勉強法
目次
「進化する勉強法」の要約・まとめ
「進化する勉強法」の要約・まとめです。
そもそも本書は
- 内容:効率的に試験で点数を取る方法を教える
- 対象者:対象者は入試を控えた子供を持つ親
- 著者:実験心理学の専門家
という一冊でして、とにかく「信憑性が高い」のが特徴。
エビデンスベースの勉強法の本
世の中にある勉強はざっくり2種類に別れていて
- 【個人体験談】自分はこうやって勉強して成功した!
- 【研究結果まとめ】多くの人を調べて効率的な勉強を調べた!
と分類できますね。
本書は後者でして、様々なエビデンスに基づく科学的な勉強法が語られています。
世の中の勉強法の誤解まとめ
人間の頭や勉強法に関する「誤解」が本書の最初のポイントです。
例えば「IQは生涯を通じて大きく変わらない」と言われていますが、どんな年齢でも変化するのが現在の定説です。
とはいえ若いうちのほうが変わりやすいのは事実。
イギリスの研究によると14歳~18歳の間にIQは最大で「20」も変化したのだとか。
他にも「三つ子の魂百までも」(=性格は変わらない)というのも、間違い。
年をとると、性格は代わりづらくなりますが、70歳になっても変化することはあったのだとか。
他にも、様々な本で触れられる科学的な実験に関しても、誤りが多いようで、
- マシュマロ・テストは追試したら間違いだった
- 「1万時間の法則」で言われているほど練習は重要ではない
- 「報酬」がヤル気を削ぐ(アンダーマイニング効果)かは、報酬の種類による
ということが分かっています。
良い勉強法まとめ
本書で語られる「良い勉強法」をまとめると以下の通り
- 分散学習(時間を開けて復習する)
- テスト効果(小テストを受ける)
- バラバラの法則
- ノートを使う
- 系列位置効果
本書で語られている面白い点は「直感に反する」良い学習法があるよーというお話です。
例えば、
- 小出しに復習するよりも、まとめて一気に復習する方が良い
- 小テストを受けるときは問題をまとめて解いてから、まとめて答えを見るのが良い
- ピアノで複数の曲をマスターするときは、1曲ずつ完璧にするよりも、バラバラに各曲を勉強したほうが効率的だった
など「多くの人が良いと思っている学習法は間違いだ」ということがわかります。
学校では習わないけど重要な事実
学校では習わないけど、重要な点が3つありまして、
- セルフ・ハンディキャッピング(先延ばしにして言い訳する)の危険性
- マルチタスキングで集中力が落ちる
- ワーキングメモリ(短期記憶能力)が低下すると、問題を解けなくなる
って感じ。
思った以上に人間は「言い訳」をしたり、「並行作業」をしたりして、効率が落ちているんだなーとわかります。
また、短期記憶(ワーキングメモリ)が頭を良くするのに非常に重要。
これはプレッシャーで低下することも分かっています。
【感想】実験内容が分かりやすい勉強法本
感想としては「実験内容が分かりやすい」勉強法の本だったなーという感じ。
一つ一つの「実験で確認された事実」がビジュアル的にも見やすく、読みやすいのが最も大きな特徴ですね。
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内容に関しては、メンタリストDaiGoさんの勉強法の本とかなりかぶっています。
で、どちらかというとDaiGoさん本を先に読むのがおすすめです(ストーリー的に語られていますし、情報量も多い)。
» 参考:メンタリストDaiGoの超効率勉強方法の要約&感想
「DaiGoが語る勉強法って本当なの?」と疑っている方は、こちらの本を読むのもありです。
というか、別の著者が似たことを「語り口」を変えて話しているので、理解に意外に役立ちます。
また、DaiGoさんの本では書かれていなかった
- 先延ばしを防ぐ方法
- 睡眠でアイディアを生む方法
なども面白かったので「勉強の効率を上げたい」なら両方読むべきです。